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この作品は、株式会社トミーウォーカーのPBW『TW1:無限のファンタジア』用のイラストとして、(スカイ・ローリアン)が作成を依頼したものです。
イラストの使用権は(スカイ・ローリアン)に、著作権は(白理様)に、全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
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「雨の中の出会い」
あれは…逃げ出してから、三つ目の街でのことだった。
あの日、俺はなけなしの金さえも取られ、ただただ雨に打たれて死ぬのを待っていた。
積極的に死ぬつもりは毛頭なかったが、お金がなく、さらに仕事もない。
動く気力すらなかった。
なら、あとは死ぬだけだろうとぼんやりと路地裏に座っていた時…彼が現れた。
俺と同じように傘も差さずに雨の中歩いている黒い髪の、男の人。
そのまま通り過ぎるだろうとぼんやりと見つめていたら、なぜか目の前にたたれじっと見つめられる。
ドリアッドである俺が珍しいのだろうか。
…確かにそんな理由で列強種族に連れ去られた過去を思えば、納得はする。
ぎろりと睨みつければ、彼が楽しそうに笑った。
「ねぇ、風邪引いちゃうよ?俺の家にこない?」
「…………」
じっと警戒心まるだしで相手をにらみつけていると、彼が苦笑を零した。
「一応こう見えても俺、医術士なんだ。…ちなみに奉仕種族の出身」
其の言葉に、瞳を見開く。
「多分、君と俺は似ているね。ねぇ…おいでよ」
差し出された手は、雨に濡れて冷たいはずなのに。
なぜかとても暖かく感じた。
〜その後〜
「でさー其の後君は逃げ出してくれたわけだけどね!」
「………すみま、せん……」
「せっかく“見つけた!”って思ったのにショックだったよ」
「……………ぅ」
「まぁでも君がドリアッドであってくれてよかったよ。バラの色と服装を言えば、大抵情報が手に入ったし」
「………?」
「ドリアッドって目立つでしょう?それなのに、さらに全身黒尽くめなんて目立ってしょうがないよ」
「………っ?!」
「あははは!気がついてなかった?おかげでたすかったわけだけど、そう、君逆に目立ってたんだよね」
「………よく、みつかったな、とは…おもってましたけ、ど……」
「そう、でも見つけて欲しかったんでしょう?」
「…っ?!」
「顔が赤くて可愛いね。あぁでももう逃がさないからね」
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2009.11/24 如月修羅
慰み者として暮らしていたスカイと、奴隷として過ごしていたグレイ
どこか絶対に似た雰囲気を持っていたと思います。
誰も信用してない所とか、生きるのに貪欲なのに死ぬ時はいっそ潔いとか。
………ラブラブでしめてみた |
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