くるくるきゃんでぃ



黒い、艶やかな大人の男。
俺から見て、とてもとてもかっこよい。
大きくなったなぁ…

ベットに寝そべりながら、ブレイクから貰ったキャンディを齧る。
がりっという音がして、ギルが此方を向いた。
「オズ、まさか齧ったのか?」
「ん?あ、そうだね」
がりがりがり。
飴って齧るものじゃないけどねーと言いながら、がりがり齧る。
「あいつじゃあるまいし、そんな食べ方をするな!」
「別にギルが食べてるわけじゃないんだからいいでしょ!」
さらに新しく出した飴をあーっとお行儀悪く口に入れようとしたところで、ぱっと持っていかれてしまった。
「ギールー?」
その言葉に、びくっと震える肩。
あ、ちょっと涙目だ。
自分が咄嗟になにをやったのか分かったのだろう。
飴と俺を交互に見てる。

この男が、ついさっき自分が艶やかで大人の男だと認識したものだとは思えない。


くるくると変る、その表情。
まるで。



「お前、くるくるキャンディみたいだよなー」
「え?」

まだ持っていた、棒状のくるくるキャンディーを取り出してぺろりと舐める。
それをみて唖然とした表情のギル。
「顔色がくるくる変って。
でも結局同じところに戻る。
お前は甘いキャンディと一緒だよ」
ぐるりと円を描いたそれは結局最後は同じ色に戻り。
まるでギルのようで。


「お前の味だな」




俺の言葉にギルが盛大に鼻血を出して倒れた。






言語撤回。
こいつ、艶ややかで大人の男なんかじゃない。
「へたれのお子様め!」


2009.3/7 如月修羅

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