想像は無限大! 幼馴染の正臣にお前は正気じゃないんだー! と怒られた。 そして今現在、正臣が言うのなら正気じゃない状態でお付き合いしている人が居る。 折原臨也。 正臣曰く、かかわったらいけない人物。 ドアを開けたらそこには満面の笑みを浮かべた折原臨也が居た。 追い返しても勝手に部屋に入ってくるので、部屋に招き入れる。 「帝人君、今日も可愛いね」 「今日もその軽口で重みもなにもない愛の言葉をありがとうございます。…おはようございます臨也さん」 「うん、女の子なんだからもうちょっと嬉しそうにしてくれると嬉しいんだけどそんなつれない態度をとる帝人君だからこそ愛してる!ラブ!帝人君、そしておはよう」 「そうですか僕結構短期なんで、その口閉じてくれると少しは可愛げのある笑顔を浮かべてあげます」 まぁ確かにこんな状態を他人が見たら明らかに愛し合ってる者同士に見えないだろうし、まさに人に対する対応として間違えているから正気じゃないかもしれない。 だがしかし、折原臨也はそんな僕が好きだというし、そして僕もこんな臨也さんが好きなのだから、やっぱり両思いというので当たっているのだと思う。 「で、今日はどうしたんですか?」 「ん?帝人君に会いにくるのに理由って必要?」 「理由がなければとりあえず僕は一人でのんびりする時間が欲しいんで、帰ってください」 「今日は土曜日、明日は日曜日なんだからさ、俺とあそぼ?」 「いい大人がそんな子供っぽい口調で言わないで下さいよ。嫌ですよ、絶対に夜まで居座るんですもん」 部屋になんかあげなけりゃ良かったと大分遅く後悔しながら、しょうがないのでお茶を用意にキッチンにと入る。 「ねぇ帝人君、そろそろ一緒に暮らさない?」 「お断りします」 「即答?!」 「臨也さんと一緒に暮らしたら、学校行けなくなるじゃないですか」 「やっだー期待されちゃってる?!」 「うざいです死ね」 期待はまったくもってこれっぽちもしていないが、冗談ではなくこの人ならやりかねない。 だからこそ、一緒に暮らすという一線は越えたくないのだ。 「あーでも本当一緒に暮らしたら外になんか出さないのにー専業主婦になりなよ、帝人君!」 「だから嫌なんですよ、僕は外で働きたい派です」 「えーいいじゃん、専業主婦ーまぁ働きたいっていうならとめないけどさぁ。あ、でも子供が出来たら専業主婦になってね」 「子供が出来たら考えます」 出がらしでいいか。 と昨日の飲んでいた紅茶を新しく入れるのも面倒で出しながら、自分には新しい紅茶を入れて持っていく。 「だって可哀想じゃない?子供が小さい頃にさー預けっぱなしにするとか」 「…臨也さんの割りには結構いいこといいますね」 出がらしの紅茶に文句も言わず、臨也さんは口をつけて飲みながら口元を緩ませた。 「だって俺と帝人君の子供だったら俺、愛せる自信あるもの」 「………」 「子供も人間だから興味はあるし愛してるんだけど、帝人君との子供だったら嫁に出したくないって気持ちもわかると思うんだよね」 「男の子だったらどうするんですか」 「其の時はお嫁さんに来る子を吟味するかな」 「どちらにせようざい父親ですね」 「帝人君、さっきから否定してないけど、俺のお嫁さんになってくれるの?」 「誰にでも希望をいうぐらいの自由はありますから」 「帝人君が俺以外と結婚するっていうなら監禁するから別にいいけどさー」 「まったくもってよくないです」 この人、本当常識ないよなと思いつつ、自分のためにお茶菓子も用意しておけばよかったと辺りを見渡す。 そういえば昨日食べかけのクッキーどこ置いたっけ。 しける前に食べないとなぁ… 「はい、クッキー」 「ありがとうございます、大好きです」 「こういうときだけ本当素直だよね凄く可愛い」 差し出されたクッキーに手をつけつつ、臨也さんの言葉は軽くスルーする。 「まぁ」 「うん?」 「学校を卒業して、大学も卒業して」 大学か専門学校はまぁのちのち決める予定だけど。 まぁとりあえず大学としておこう。 「そして就職が決まってからなら考えてもいいです」 「…ん?」 話が唐突過ぎたのか、首を傾げる臨也さんにクッキーを手渡す。 「だから、同棲の話です」 「え、そこまでたってるなら、結婚していいレベルだよね?!」 「臨也さんとは段階を踏まないと結婚していいとは到底思えません」 「くっ…やけに現実的なんだもんなー」 「臨也さんは女性に夢でも見てるんですか?自分の一生を決める相手ですよ?そこまでしないと結婚、そして死ぬまで一緒に過ごすなんて怖くてできませんよ」 「………っ」 「なんですか?」 なぜかふわりと嬉しそうに臨也さんが笑った。 「でもさ、それって少なくとも死ぬまで一緒にいるかもしれないっていう可能性を考えてくれてるってことだよね?」 「…僕は慎重派なんです」 「うん」 「慎重派なんで、付き合う人も将来を見据えた上で、吟味してるんです」 「やっぱり帝人君可愛いー!大好き、愛してる!」 「そうですか僕も嫌いじゃないですよ」 感極まったのか、なぜかにじりよってきて抱きしめられながらそういえば今日はゆっくり寝るつもりだったことを思い出した。 「どうでもいいですけど臨也さん、特に用事がないんなら僕寝る予定なんで帰ってくださいよ」 「ちょっ…ここまで盛り上がったのにその冷淡さ!」 「盛り上がったのは臨也さんだけです」 まぁ結局臨也さんは夜まで居座るつもりなんだろうけれど。 そう思いながら、クッキーを口に運んだ。 戻 女の子じゃないと、二人の子供の話が書けないと思って書いた。 だが別に男同士でも違和感がないぐらい超ドライな帝人君だった…後悔はしてない。 2010.5/13 如月修羅 |